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一祭一麺。暑すぎた2023年の苗場では、麺が主食になっていたのかも
勢力の強い太平洋高気圧に覆われた7月の日本。7月の35度以上の猛暑日は、全国の累計で2,435地点と、気象庁が集計をはじめた以降、2番目の多さになったという。
標高900メートルの苗場も、フジロック開催期間中の日中の暑さということにおいては、他の日本の多くの場所と同じで、とにかく暑かった。ウェザーニュースなどでの苗場の最高気温は、30度前後と発表されていたものの、それは日かげに入った時のもので、日なたでは肌感としては35度くらいあったように思う。これだけ暑かったフジロックは記憶にない。
暑くなると、どうしても食が細くなってしまう。長い距離を歩き、ライブを楽しむためのエネルギー源になるようなメニューを選びたいと思いつつ、食べたい(もしくは食べてもいい)と感じるメニューは「麺」に行き着いてしまう。
初日から気になっていたのが、フジロック最奥部に位置するORANGE CAFÉのこのそうめん。創業100年以上になる九州・島原の手延べそうめんメーカーのそうめんを使っているという。島原は日本五大そうめんのひとつだ。辛いそうめん(やみつき旨辛そうめん)も気になったけど、そうめん三種盛りを選択。
できあがったそうめんを見て、まずびっくり。丸○製麺のシェイクうどんのような見栄えだ。確かにこの器だと片手で持ちやすいし、テーブルがない状況でも食べやすい。三色が段々にカップに収められ、見ていて涼しさも感じられる。出汁は濃くなく、つけ汁というよりも冷たいスープに近い。日替わりだという三色のそうめんは、残念ながら味の違いまでは判断つかなかったけれど、スープまで完食。ボリュームもそこそこあって、暑い夏のフェスには最適の飯メニューのひとつと言っていい。
フィールドオブヘブンで毎年ライブペインティングしているのがGravityfree。2005年頃からフジロックでライブペインティングしているはずだから、20回近くもヘブンの住人として、苗場の夏を過ごしている。そんなGravityfreeのスタッフが、口をそろえて毎年必ず食べていると言っていたのがところ天国のラーメン。3日間のうち、2度食べることもあるよと言っていた。その言葉を信じて最終日の夜に寄った。
厳選した煮干しと昆布をたっぷり使っているというスープが、ちょっと涼しくなった気温にマッチする。トッピングは、のりとチャーシューとネギ。このシンプルさが、疲れていた身体には逆にいい。麺はフジロック限定で、コシがあってラーメンよりも冷麺に近い。麺のことは詳しくないのだけど、冷麺ふうのこの麺のほうがかんすいが少なくて胃に優しく感じられるのかもしれない。普段は東京・戸越銀座でラーメンえにしとして営業しているというから、いつかここにも行って、フジロックとの麺の違いを味わいたいと思う。
麺ではないけれど、スープ&ライスの一品。ガンボとはオクラなどを使ったスパイシーなスープで、アメリカ南部のケイジャン料理のひとつ。ケイジャンとはアメリカ南部のルイジアナ州に移民したフランス系の人たちのことだ。ケイジャン料理にはアメリカ版炊き込みご飯と言っていいジャンバラヤもあり、イメージする大味なアメリカ料理とは一線を画して、日本人の口にも合う。
キャンプサイトにあるAMOAKO食堂。他のエリアと違って、各ステージでのライブが始まった後は空いていることがほとんど。ライブに向かう前に、お腹を満たしておきたくてチョイスした。
トマトをベースにしたスープ。野菜が食べられないフェスにしては、ありがたいメニューだ。ライスは細長いインディカ米だから、普段食べているジャポニカ米に比べて粘り気が少なく、逆にフェスで食べるスープライスとしては適していると思う。味の満足度は高いのだけど、惜しいのは量が少なかったこと。お腹の満足度は、食事というよりもおやつくらいの感覚。
<text・photo=菊地 崇>
FUJI ROCK FESTIVAL '23
日時:2023年7月28日(金)〜30日(日)
会場:苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com
標高900メートルの苗場も、フジロック開催期間中の日中の暑さということにおいては、他の日本の多くの場所と同じで、とにかく暑かった。ウェザーニュースなどでの苗場の最高気温は、30度前後と発表されていたものの、それは日かげに入った時のもので、日なたでは肌感としては35度くらいあったように思う。これだけ暑かったフジロックは記憶にない。
暑くなると、どうしても食が細くなってしまう。長い距離を歩き、ライブを楽しむためのエネルギー源になるようなメニューを選びたいと思いつつ、食べたい(もしくは食べてもいい)と感じるメニューは「麺」に行き着いてしまう。
ORANGE CAFÉ
そうめん専門甚-JIN- :日替わり三種盛りそうめん 1,000円初日から気になっていたのが、フジロック最奥部に位置するORANGE CAFÉのこのそうめん。創業100年以上になる九州・島原の手延べそうめんメーカーのそうめんを使っているという。島原は日本五大そうめんのひとつだ。辛いそうめん(やみつき旨辛そうめん)も気になったけど、そうめん三種盛りを選択。
できあがったそうめんを見て、まずびっくり。丸○製麺のシェイクうどんのような見栄えだ。確かにこの器だと片手で持ちやすいし、テーブルがない状況でも食べやすい。三色が段々にカップに収められ、見ていて涼しさも感じられる。出汁は濃くなく、つけ汁というよりも冷たいスープに近い。日替わりだという三色のそうめんは、残念ながら味の違いまでは判断つかなかったけれど、スープまで完食。ボリュームもそこそこあって、暑い夏のフェスには最適の飯メニューのひとつと言っていい。
そうめん専門甚-JIN-
本州唯一の素麺専門キッチンカーを営んでおり、創業100年以上の島原手延べそうめんメーカーの素麺を使用。 日替りで3色素麺を数量限定にてご提供!(写真:白・梅・のり)抜群の喉越しの麺とキンキンに冷えたスープで【素麺の常識】を変えてみせます!
本州唯一の素麺専門キッチンカーを営んでおり、創業100年以上の島原手延べそうめんメーカーの素麺を使用。 日替りで3色素麺を数量限定にてご提供!(写真:白・梅・のり)抜群の喉越しの麺とキンキンに冷えたスープで【素麺の常識】を変えてみせます!
ところ天国
らーめんえにし:天国にぼしラーメン 900円フィールドオブヘブンで毎年ライブペインティングしているのがGravityfree。2005年頃からフジロックでライブペインティングしているはずだから、20回近くもヘブンの住人として、苗場の夏を過ごしている。そんなGravityfreeのスタッフが、口をそろえて毎年必ず食べていると言っていたのがところ天国のラーメン。3日間のうち、2度食べることもあるよと言っていた。その言葉を信じて最終日の夜に寄った。
厳選した煮干しと昆布をたっぷり使っているというスープが、ちょっと涼しくなった気温にマッチする。トッピングは、のりとチャーシューとネギ。このシンプルさが、疲れていた身体には逆にいい。麺はフジロック限定で、コシがあってラーメンよりも冷麺に近い。麺のことは詳しくないのだけど、冷麺ふうのこの麺のほうがかんすいが少なくて胃に優しく感じられるのかもしれない。普段は東京・戸越銀座でラーメンえにしとして営業しているというから、いつかここにも行って、フジロックとの麺の違いを味わいたいと思う。
らーめんえにし
厳選した煮干しと、昆布をたっぷり用いた芳醇な一杯。4種の煮干しをブレンド(カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、アジ)、天然木桶醤油、フジロックではフジロック限定特注麺。プレミアムな“天国にぼしらーめん”です。
厳選した煮干しと、昆布をたっぷり用いた芳醇な一杯。4種の煮干しをブレンド(カタクチイワシ、マイワシ、ウルメイワシ、アジ)、天然木桶醤油、フジロックではフジロック限定特注麺。プレミアムな“天国にぼしらーめん”です。
CAMP SITE
AMOAKO食堂:ガンボスープライス 750円麺ではないけれど、スープ&ライスの一品。ガンボとはオクラなどを使ったスパイシーなスープで、アメリカ南部のケイジャン料理のひとつ。ケイジャンとはアメリカ南部のルイジアナ州に移民したフランス系の人たちのことだ。ケイジャン料理にはアメリカ版炊き込みご飯と言っていいジャンバラヤもあり、イメージする大味なアメリカ料理とは一線を画して、日本人の口にも合う。
キャンプサイトにあるAMOAKO食堂。他のエリアと違って、各ステージでのライブが始まった後は空いていることがほとんど。ライブに向かう前に、お腹を満たしておきたくてチョイスした。
トマトをベースにしたスープ。野菜が食べられないフェスにしては、ありがたいメニューだ。ライスは細長いインディカ米だから、普段食べているジャポニカ米に比べて粘り気が少なく、逆にフェスで食べるスープライスとしては適していると思う。味の満足度は高いのだけど、惜しいのは量が少なかったこと。お腹の満足度は、食事というよりもおやつくらいの感覚。
AMOAKO食堂
都内でキッチンカーをしてますAMOAKO食堂です。 「ジョロフライス」は店主の父の出身地、アフリカ・ガーナのソウルフードです。トマトと数種類のスパイスで炊き上げたバスマティライスと衣ザクザク中はジューシーなフライドチキンのマッチングは、味・食感ともに相乗効果抜群で誰もがヤミツキになること間違いなしの美味さです。経験ない方はぜひ召し上がってみてください!
都内でキッチンカーをしてますAMOAKO食堂です。 「ジョロフライス」は店主の父の出身地、アフリカ・ガーナのソウルフードです。トマトと数種類のスパイスで炊き上げたバスマティライスと衣ザクザク中はジューシーなフライドチキンのマッチングは、味・食感ともに相乗効果抜群で誰もがヤミツキになること間違いなしの美味さです。経験ない方はぜひ召し上がってみてください!
<text・photo=菊地 崇>
FUJI ROCK FESTIVAL '23
日時:2023年7月28日(金)〜30日(日)
会場:苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com