フェス飯クラブ / Fesmeshi Club

進化を続けるフジロックのフェス飯。新潟の地元メニューの美味しさを再発見

進化を続けるフジロックのフェス飯。新潟の地元メニューの美味しさを再発見

前夜祭を含めた4日間で、のべ12万2千人ものフェスファンを集めた今年のフジロック。海外からのファンが増えているとコロナ以前から言われていたけれど、今年はそれ以上に日本の新しい世代のファンが増えているのが印象に残った。初来日のヴルフペックがグリーンのヘッドライナーを務めた土曜がソールドアウトになるなど、海外アーティストと日本人アーティストの絶妙なバランスで成立していたラインナップは、フジロックならではなのものなのだろう。尖っているところもあり、広がっているところもある。

 お客さんの数も日本トップクラスということは、飲食出店数も日本のトップクラス。毎年出店を続けている名物店もあれば、今年初参加したフェス飯も少なくない。日本のいろんな地域に限らず、世界の食が集うのもフジロックのフェス飯だ。その意味ではフェス飯の進化がフジロックで感じられるのだろうし、そんなフェス飯を選ぶのも、フジロックの大きな楽しみのひとつだろう。今年は地元フェス飯をチョイス。


鮎茶屋 鮎塩焼き 1,000円

 フェスで食べるメニューとして、自分のリストに入っていなかったのが鮎の塩焼き。敬遠していたわけではないけれど、わざわざフジロックで食べなきゃいけないとは思っていなかった。大好物で、機会があればよく食べているというわけでもないし。

「フジの地元飯」ということで選択。八海山の伏流水で育てた鮎を地元の間伐材の炭で丁寧に45分以上かけて焼いているという。炭火の遠赤外線によって、身はふんわりと仕上がっている。そしてほんのり甘い。川魚特有の青臭さはまったく感じられない。頭も骨も、しっかり完食。3度の食事にはならないけれど、間食や肴にはうってつけ。
 





寿し本陣DINING うな丼1,700円 樽詰地ビール1,200円

 越後湯沢駅前にある「寿し本陣DINING」。新潟発のクラフトビールがラインナップされていたことで、こちらにチューンインした。セゾンやピルズナーなど4つがセレクトされたなかから選んだのがIPA。IPAに合う居酒屋メニューとして「肉じゃが」にも心が動かされたけれど、うな丼を合わせた。

 ちょっと苦味もあるIPAとふっくらと焼き上げられたうな丼。飲んで食べて、至福の時間。このふたつがマッチしないわけがない。うな丼が半身などもうれしいサイズだ。野外でのフェス飯としては、ちょっと前までなら考えられない組み合わせに違いない。フェス飯の深化がここにもある。

 




だんご屋 ミニ笹団子(5個)500円

 新潟の土産と言って思いつくのが柿の種と笹団子だろう。この二つは、新潟土産として何度ももらったことがあるし、自分で買って帰ったこともある。


 アヴァロンフィールドにある森は、フジロックの会場内では、日差しを遮ることのできる貴重なエリアだ。そこに今年初オープンしたのが「だんご屋」。涼を求め、疲れを癒すためにここに立ち寄った人も多かっただろう。十日町市で、笹団子などの製造販売をし、魚沼産コシヒカリの販売をしている魚沼農産の樋口徹さんがこのだんご屋の主人だ。お土産とは違って、日持ちすることを想定していないここの笹団子はしっとりと柔らかい。お土産で食べていた笹団子とは違った口触りがあった。今回はアヴァロンのお店で食べたけれど、笹団子は携行保存食とされていたわけだし、小腹が空いた時の軽食用に持ち歩くのもいいかも。

 





<text・photo=菊地 崇>




FUJI ROCK FESTIVAL’25
日時:2025年7月25日(金)~27(日)
会場:新潟県湯沢町苗場スキー場
https://www.fujirockfestival.com/