フェス飯クラブ

現地レポート

ヤケマルタトオノの森のなかで食べた千葉のこだわりの味

2023.12.20
ヤケマルタトオノの森のなかで食べた千葉のこだわりの味
   かつて「山のおんぶ」という名前で、千葉県山武市の公園で開催されていたフェス。今は、自分たちで整備を続けている森(日向の森)を会場にした「ヤケマルタトオノ」という名で、入場無料のフリーフェスとして開催されている。今年は11月12日に行われた。





 森を人間の体と見たてて、「顔」「喉」「心臓」「右肺」「胃」といったエリアの名になっている。それぞれのエリアに出店が並んでいた。他のどのフェスにもない、森の中での出店スタイルだ。飲食と物販を合わせると、40近くもある。この日は前夜から雨が続いていたこともあって、無理に出店しないでくださいという案内を出したけれど、出店を見合わせたお店はなかったという。それだけ、出店者にとっても「ヤケマルタトオノ」は特別な場所なのだろう。「山のおんぶ」時代から続いて出店しているお店が多いという。


畑食堂菜々摘:野菜串(里芋) 500円


「畑から始まる季節のごはん」をテーマに、千葉県内で行われているマルシェやイベントに出店している畑食堂菜々摘。隣で出店していた山武市の「三つ豆ファーム」の野菜を使った野菜串。じゃがいもと里芋の2種があって、より秋という季節感を感じさせてくれる里芋を選択。

「三つ豆ファーム」は生命力のある野菜作りをモットーとしているだけあって、その野菜が本来持っている味をそのまま生かすことを心がけているのだろう。里芋は素揚げされていてホクホク。しかも味が濃い。野菜をスティックで食べることはあっても串というのは初めて。野菜を串で食べるアイデアもおもしろいと思った。




Small Axe:BLTバーガー 800円/しそジュース 500円


 パテだけではなく、バンズも手作りにこだわったハンバーガー。千葉県習志野市を拠点に、千葉県内の出店が多いという。

 ハンバーガーのキッチンカーを始めたきっかけが、横浜の老舗レストランバー「サムズアップ」で食べたハンバーガーだったとか。「音楽の場でもこんなおいしいハンバーガーがあるんだ」っていうことを知り、自分でもそんなハンバーガーを作って音楽のある場を巡りたいと思ったという。ちなみにお店の名前の「Small Axe」は、ボブ・マーリーの歌のタイトルだ。

 パテは多少冷めてもおいしく味わえるように牛肉と豚肉をブレンドされている。使われている野菜は、生産者の顔の見える新鮮野菜だ。注文を受けてからパテを焼くので、多少時間はかかる。けれどその時間以上に、頬張った時の満足感がある。味付けもシンプル。次に出会った時はパクチーバーガーを食べてみたい。




ヴィーガン食堂あるもんで:竹筒ご飯セット 1,000円


 今回の「ヤケマルタトオノ」の開催時間は10時から16時まで。陽のある時間帯での開催だった。会場のもっとも奥に位置していたのが「十二指腸」エリア。そこでやっていたのが竹筒でのご飯炊き。炊いたご飯と旬の野菜のヴィーガンセットが提供されていた。

 炊き込みご飯にはマコモがいっぱい。火の加減が難しく、炊き上がりを何度もチェックしていたけれども、炊き上がったご飯はふっくらしていた。食べた人は、みな「おいしい~」という声を発している。希望する人には、竹で食器やカトラリーを作るワークショップも行われていた。

 残念ながら、ハンバーガーで満たされていた自分のお腹には余裕がなく、今回は食べることを断念。ちょっとでもいいから、食べたかったなあ。今のここでしか出会えない味だったはずだから。夜までやっていないフェスの場合は、会場を一周してから食べるものを決めなきゃと反省。




<text・photo=菊地 崇>


ヤケマルタトオノ2023
日時:2023年11月12日(日)
会場:千葉県山武市 日向の森
https://charcoal-and-axe.wo-un.com/yakeno2023/
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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