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現地レポート

蔵王で初開催された遊睦民祭。DIYスピリットあふれるフェスで出会った特別な味

2023.11.24
蔵王で初開催された遊睦民祭。DIYスピリットあふれるフェスで出会った特別な味
   DIYのフェスとして、グラスルーツ的に人気を獲得しているのが愛知県豊田市で開催されている「橋の下世界音楽祭」。このフェスのステージとして使われている櫓などを他の場所に持って行き、移動遊園地のように場所を移しながらフェスを全国で展開していく。オンザロードを体現するフェス。そんなスピリットを持って初開催されたのが「遊睦民祭 in 蔵王」だ。

 蔵王では「龍岩祭」という入場無料のフェスが夏に開催されていた。10年以上続いた「龍岩祭」が一旦役目を終えたのが2017年夏。7年ぶりにコアスタッフが再集結して、「遊睦民祭 in 蔵王」が成立していった。

 豊田での「橋の下」と蔵王での「龍岩祭」が、バランスよくミックスされている。それは特に飲食ブースに現れていたように思う。ヒッピーライクなマツリと呼ばれているカルチャーと、オーバーグランドに成長しているフェスカルチャーの融合。そんな「遊睦民祭」には、他のフェスでは出会いないフェス飯があった。


DIAL HOUSE:ピース麺 1,500円




 自由な雰囲気に包まれている場所だった「遊睦民祭 in 蔵王」。そこで出会ったこのネーミング。絶対に食べなきゃいけない。

 ピース麺は新潟県小千谷市のDIAL HOUSEが作っている麺。乾麺としても販売されている。水車の力でゆっくり石臼挽きされた有機栽培の国産小麦粉のみが使用されているという。パスタのようであり、ラーメンのようでもある。今回のメニューはこの麺を使ったまぜそば。ふんだんに使われている野菜もすべてオーガニック。野菜はシャキシャキで、サラダを食べているような感覚もあり、ボリュームもしっかりある。キャンプインのフェスでは特にうれしい「カラダにも優しい」メニューだった。






尾駮鮮魚団:漁師のタコつくね 300円


 3日間のフェス期間中、何度もお世話になったのがこのお店。タコつくねの他にも、串こんにゃく(200円)や青森一のうどん(500円)など良心的な料金のメニューが並んでいる。

 尾駮と書いておぶちと読む。下北半島にある六ヶ所村の中心的な集落だ。ここで普段は漁師をしているメンバーが、自分たちで実際に捕ったタコがたっぷり使われている。いわゆる鳥のつくねよりもあっさりししていて、つくねと練り物の中間にいるような口当たりだ。そのなかに、タコがしっかりと存在を主張している。串だから片手でも食べやすいし、フェス呑みメニューとしては最強ランク入り。




<text・photo=菊地 崇>


遊睦民祭 in 蔵王
日時:2023年9月22日(金)〜24日(日)
会場:山形県 蔵王温泉総合グラウンド
https://nolad.jp
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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