フェス飯クラブ

現地レポート

琵琶湖畔で2年に1回開催されるDIY感溢れるフェス。水と木の祭で、身体にも優しい美味しさに出会う

2023.09.25
琵琶湖畔で2年に1回開催されるDIY感溢れるフェス。水と木の祭で、身体にも優しい美味しさに出会う
   ほとんどのフェスが、同じ時期の同じ場所で、年に1回の開催を続けている。きっとそのほうがスタッフだけではなく毎年参加したいと思っているファンにとっても、その年のルーティーンとして記憶されていく。

 2年に1回というスケジュールで開催しているのが「水と木の祭」。会場は琵琶湖畔のキャンプ場だ。今回で9回目の開催となる。

 この2年に1回というスパンが、このフェスにはかなりマッチしている。毎年では「今年はお休みしようかな」と思ってしまうこともあるのだろうけど、2年に1回であれば「必ず行かなきゃ」となってしまう。なんでも揃っている大型のフェスではなく、参加するひとりひとりが何かを持ち寄る。みんなのDIYによって丸く成立するフェス。だからこそ入場料ではなく「参加協力費」。

 出店も同じで、それほど大きくないフェスであるにも関わらず、出店数は、飲食と物販を合わせて200近くになったという。おそらく半分以上が飲食だ。大型のショッピングモールではなく街の商店街。だからこそ、他のフェスとは違った「フェス飯」にも出会える。
 
せせらぎ農園:農民ごはん 800円


 ここ数年は少なくなった印象だけど、小さなフェスでは自分で作った野菜を持っての個人出店も少なくなかった。せせらぎ農園は、京都府京丹波市の自然栽培や無農薬にこだわった農園。自分たちで作った野菜のプレートを出していた。フェスではおいしい野菜を食べることが少なくなってしまうので、迷うことなくオーダー。

 万願寺とうがらしや四角豆など、スーパーではあまり見かけない野菜たち。濃い味付けではなく、野菜そのものの味が引き立っている。フェスで旬の野菜を味わう。





はれひの:米粉クラフトパスタのボロネーゼ 800円


 いろんな出店があるなかで、目に止まってしまったのが「米粉のクラフトパスタ」。ボロネーゼ味であるのだけど、「畑のお肉と根菜のミートソース」だという。はれひのは京都府綾部市にあるカフェで、ビーガン&グルテンフリーのスイーツをセールスポイントにしている。

 平べったいパスタ=タリアテッレを食べやすく切ったようなパスタ。食べていても「米粉」ということは気にならない(そもそも米粉のパスタをほとんど食べたことがないのだけど)。ミートソースにいたっては、使っていないはずの肉を感じさせてくれる。身体に優しいものをおいしくいただいた。



ロクタン食堂:フォー 900円


 ひとりひとりが何を買うか。ものを買うという行為は生産者への応援でもある。「世界をつくるお買い物」をテーマにした岡山県吉備中央町の三宅商店。犬式の三宅洋平が店主の商店だ。三宅商店で定期的に出店し、カレーなどの弁当やお惣菜を売っているのがロクタン食堂だ。チキン南蛮がウリらしいが、暖かい麺が食べたくてフォーをチョイスした。

 あっさりした鶏ガラスープが、ライスヌードルにマッチしている。小麦粉を使ったラーメンやうどんと違って、暑くてもスッとお腹に入っていく感覚が得られた。




<text・photo=菊地 崇>


水と木の祭2023
日時:2023年9月2日(土)〜3日(日)
会場:マイアミ浜オートキャンプ場
https://mizutokinomatsuri.asia
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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