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現地レポート

東松山のCOEDO醸造所で春と秋に開催されるキャンプインフェス「麦ノ秋(むぎのとき)」。限定醸造されたクラフトビールを野外でゴクッ

2023.07.11
東松山のCOEDO醸造所で春と秋に開催されるキャンプインフェス「麦ノ秋(むぎのとき)」。限定醸造されたクラフトビールを野外でゴクッ
   日本発のビールとしてのアイデンティティをもった「JAPANESE BEER」を展開しているコエドブルワリー(COEDO BREWERY)。そもそも小江戸・川越にあった会社が母体になり、2006年からそれまでの地元で作られるお土産としての「地ビール」ではなく「クラフトビール」という概念を提案している醸造所だ。COEDOビールを、酒屋さんやスーパーで目にしたことがある人も多いと思う。



  2016年に設立された埼玉県東松山市の「COEDOクラフトビール醸造所」が、麦ノ秋音楽祭の会場だ(主催がCOEDO)。麦の種が撒かれる去年の秋に1回目が開催され、その麦が成長して刈り取られる今年5月に2回目が行われた。5月末に2回目を決めたのが、収穫前の麦畑を見て欲しいという思いからだったというが、今年は桜の開花もはやかったように、麦の収穫もずいぶん前倒しになってしまったという。会場内の麦は、ほんの少しだけ刈り取られずに残されていた。ちなみに「麦秋」は、秋を指すのではなく初夏の季語だ。



COEDOビール:音ト鳴 800円


 瓶や缶で飲むことが多いクラフトビール。ここでは生で飲めることができる。前売りの入場券には、ビールチケットが付いているほどだ。ライブとともにビールも主役のフェス。

 COEDOの定番と言えるビールにも心を動かされたけど、やはり「麦ノ秋音楽祭をイメージした特別なエール」=音ト鳴を選んだ。ホップの代わりにエナジードリンクでも使われるマカと高麗人参を使用している、とボードに書かれていた。アルコール度数もあまり高くなく、苦味もそれほどない。すっきりとした味わいだ。晴れた日に青空の下で飲むにはうってつけのビールなのだろう。



もつ煮のまつい:もつ煮 600円
 もつ煮が有名な県といえば群馬というイメージがついてしまっていたからなのか、東松山もきっともつ煮がうまいだろうという勝手な思い込みでオーダー。もちろんビールに合うというのも決め手のひとつではあったけど。辛口と定番の2種あって、どちらも見た目が赤かったので、定番を選択した。

 食べてみるとまったく辛さはない。むしろまろやかな味で、もつもとろとろで柔らかい。「毎日食べてもあきがこない」ことをモットーとして、長時間かけて煮込んでいるという。東松山のご当地メニューで、ふるさと納税の返礼品にも選ばれている。もちろん、ビールのおともとしてもマッチしていた。



 それほど大きな会場ではないものの、キャンプインも可能でファミリーも多い。ライブはアコースティックが中心。今年の秋の開催も発表された。自分たちの恒例行事のように、毎回ここに行く。そんなフェスになっていくのだろう。「おかえり」と入場ゲートで言えるフェス。ここで食べるフェス飯も、きっとそんな味になっていくに違いない。

<text・photo=菊地 崇>


麦ノ秋音楽祭2023
日時:2023年5月27日(土)28日(日)
会場:COEDOクラフトビール醸造所
https://muginotokiongakusai.jp/2023/
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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