フェス飯クラブ

現地レポート

結いのおとで一祭一麺。甘辛のパッタイにはビールがマッチする

2023.05.10
結いのおとで一祭一麺。甘辛のパッタイにはビールがマッチする
   茨城県結城市で開催されている街中音楽祭の「結いのおと」。街中にある点在する酒蔵や寺社、カフェの庭などをライブ会場にした、ライブだけではなく街歩きも楽しめるフェスだ。かつて結城市では同じオーガナイザーが「結い市」というマーケットイベントも開催していたこともあって、食や物販などのマーケットも「結いのおと」の大きな特徴となっている。

 今年の「結いのおと」でのフード出店は50あまりを数えた。茨城や栃木でお店を構えている飲食店だけではなく、ビブグルマンに掲載されている東京の有名店もラインナップされていた。「フェスでの出店は『結いのおと』だけなんですよ」と語るフード出店も多い。旬のアーティストたちのライブ、歴史ある結城の町歩きと並んで、フード&マーケットも「結いのおと」の大きな魅力のひとつだ。



 ライブ会場にはチケットを買った人しか入れない。けれどフード&マーケットエリアは無料で開放され、ランチをお目当てに気軽に立ち寄る人も少なくない。「結いのおと」はフェスとマルシェが一緒になった場所と考えると、ここの雰囲気がイメージできるだろう。
 他のフェスで見たことがないフードばかりで目移りばかりしてしまう。そこで決めたのが「一祭一麺」。ひとつのフェスでひとつは麺を食べること。自分の中で今日のメニューの選択肢を持つと、なんとなく道が開けてくる。



Booby Cafe & Restaurant:パッタイ 850円
 50ものフードが並んでいるのに、不思議に麺を出している出店が少なかった。あったのはうどんとパッタイ。よく晴れた暖かい日だったし、クラフトビールもいろんなお店で販売されていたので、Booby Cafe & Restaurantのパッタイをオーダーした。

 オーダーを受けてからフライパンでひとつずつ作っていく。作り置きではない出来立てメニューがうれしい。ナンプラーなどのちょっと甘めの味付けに、唐辛子と柑橘系(おそらくライム)でタイの風をアレンジする。これがビールに本当にマッチする。このBooby Cafe & Restaurantの母体は埼玉県にある美容院で、近隣で開催されるフェスやマルシェにときおりタイメニューで出店しているという。「写真を撮られるのなら、もっと盛り付けをきれいにすればよかった」と言っていたけど、味も見た目もまったく問題なし。



<text・photo=菊地 崇>
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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