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【フェス飯レジェンド】朝霧JAM/第1回目より出店している老舗和菓子屋。ミュージシャンとしてステージに立ったことも「藤太郎」

2022.12.08
【フェス飯レジェンド】朝霧JAM/第1回目より出店している老舗和菓子屋。ミュージシャンとしてステージに立ったことも「藤太郎」
    そのフェスが開催される地元の食を味わいたい。これもフェスを楽しむポイントのひとつに違いない。2001年にスタートした朝霧JAMには、地元・富士宮や静岡のお店が数多く出店している。シュークリームとロールケーキが人気の藤太郎も地元の名店だ。創業は昭和7年で90年もの歴史を誇っている老舗和菓子屋さん。

「音楽が好きで、バンドもやってたんです。地元でフェスが開催されるって知ったときには、もうすでに申し込みの期限が終わってしまっていたんです。けれどどうしても出たいから、その思いだけで出店管理の方に直接電話をして。たぶん地元っていうことで認めてもらえたんでしょうけど、『出店していいですよ』って言っていただき、出させてもらって。大変すぎるから来年はやらないって毎回思うんですけど、結局は翌年もやっちゃう(笑)。それが今まで続いています」と藤太郎の後藤 健さん。



 フェスではどんな食べ物が求められているかを手探りしていた1年目はシュークリームだけがメニューだったという。いわゆる食事メニューばかりが並んでいるなかでのスイーツは、珍しい存在だったに違いない。シュークリームは今も藤太郎の人気メニューとしてラインナップされている。

「お店自体が、その季節の地元の食材を生かすということをコンセプトにしています。秋だったら栗とか芋とか。それをフェスという場所ではどういう食材にしたらいいのかっていうことを考えて。朝霧高原は牧場が多いから、朝霧の牛乳と卵をメインにして。洋菓子系のメニューということでシュークリームにしたんです。メニューも、増やしたり減らしたり。ロールケーキも、朝霧の牛乳と卵を使っています。ひとつが練乳風味の生クリーム、もうひとつがハーシーのチョコシロップを入れた生クリーム。練乳の風味が強くて、朝霧っぽさを出せているかなって思っています」



 実は後藤さん。朝霧JAMのステージに立ってライブした経験もあるという。それも1回だけではなく2回も。

「2002年の2回目の開催のときはthe sideburnsっていう地元でやってるバンドで、その次は9年目にOi-SKALL MATESっていう東京のバンドで出演しました。日高(正博)さんにレコードを持って『出させてください』ってお願いに行ったら、『しょうがねえな』って言ってくださって。初出店のときもお願いして、初出演もお願いだったんです(笑)」



 朝霧JAMに出演した経験のある人が作った朝霧JAMだけの特別なシュークリームやロールケーキ。1度目の人は朝霧JAMを感じるだろうし、2度目以降の人は朝霧JAMに戻ってきたことを実感する味なのだろう。

<text・photo=菊地 崇>
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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