「街全体がひとつのテーマパークになる」ことをメインテーマに、2019年に初開催されたONE PARK FESTIVAL。2年目からはコロナという大波があったものの、新しいタイプの都市型フェスとして、注目と人気を集めていった。その成長のスピード感は唯一無二のものかもしれない。大きな要因になっているのは、ロックでもジャズでもなく、ダンスミュージックをフィーチャーさせたことと、福井駅から徒歩で数分という中心市街地にある会場の立地条件があげられるだろう。野外フェスの多くが、都市から離れたところ、あるいは人が少ないところを開催地としているのだけど、ここは都市ナカフェス、もしくは駅チカフェスと言っていい特別なフェスになっている。芝生が広がる中央公園にある野外ステージは音量制限がなく、隣の福井城址に立つ県庁の地下ホールはクラブと化す。県庁や市役所は、クーリングシェルターとしても開放されている。

フードエリアは3つ。有料エリアにあるHONMARU FOOD COURTは、おそらく福井や北陸からの出店が中心。無料エリアのYONKSはコラボメニューが展開されていた。無料エリアのもうひとつのRAKUZAはケータリングカーでの出店で、そのケータリングカーは日本のいろんな地域から集まってきていたらしい。それぞれが個性を持ったフードエリアが展開されていた。出店数も多く、はじめて目にするメニューも多い。どれを食べようか、かなり迷うことになったONE PARKのフェス飯だった。


BLUESTOCKING
氷出汁 越前十割おろし蕎麦 800円


9月になったとはいえ、福井の最高気温は初日の9月6日が32度で9月7日が34度。日陰に入ると風はやや涼しかったけれど、それでも酷暑は残っていた。何を食べたいかというよりも、これなら食べられるだろうとフードエリアを歩いていて見つけたのが氷のメニュー。スイーツではなく、食事としての一品だった。

越前そばは大根おろしが使われていることが特徴だ。出汁で味付けされた氷が、福井永平寺産の蕎麦粉を使用した蕎麦と大根おろしの上に乗っている。やや太めの十割蕎麦は、喉越しを楽しむというよりもしっかり噛んで食べるタイプ。ただこれがフェス飯には合っているように思う。冷たくてサッパリ食べられる氷蕎麦は、今年の夏に出会ったいちばんのアイデアメニューでもあった。
Bon.nu
紅そば(トマト焼きそば)1,300円

少し前に、トマトが夏バテ防止に最適な野菜だというニュースを見ていた。リコピンの抗酸化作用や、カリウム、ビタミンC・E、β-カロテンなどの豊富な栄養素によるもので、水分を多く含んでいることも身体を冷やす効果があるという。そんなことをこのメニューを見て思い出してしまってオーダー。

とにかくトマトがふんだんに使われている。写真を見ただけでオーダーしたので、口に入れたときに、いい意味での裏切られた感覚があった。勝手に冷静パスタをイメージしていたのだけど、トマトも麺もあたたかい。これは冷静パスタではなく塩焼きそば。トマトに熱が入れられていることで、さらに甘味が増し、酸味も感じられた。このトマトは福井県池田町で生産されているものだ。けっこうボリュームもあったけれど、サラリと完食。
TRAILER BAR HAKU
ノドグロフリット(ハーフサイズ) 700円

夕方になって涼しくなってきたので、ビールに合うつまみを食べたいと思った。どうせなら北陸の味にしたい。それで選んだのがノドグロのフリット。甘エビのフリットにも心を動かされたけど、北陸を代表する「高級魚」のノドグロを選んだ。

揚げたてのフリットが6つ。ひと口サイズで食べやすい。白身で柔らかい味。それでいて、白身特有の淡白さはあまり感じられない。回転寿司などで何回かノドグロを食べたことがある程度で、ノドグロの味を知っているというわけではないけれど、ノドグロの身はフリットにしても負けていないというか個性が出ているというか。次は甘エビフリットも食べてみたい。
TASTY TABLE FOOD
福井二色丼(吉川茄子の麻婆&クレソンそば飯) 900円

2日間のフェスの間に、ガッツリというほどでもなく、けれど「食べた~」とお腹に溜まるような感覚になれるものを食べたい。そう思いながら、フードエリアを何度も行き来して、決めたのがこれ。鹿カレー、猪とごぼうのあんかけ、茄子麻婆、クレソンそば飯の4つから2つを選べるメニュー。肉よりも野菜に気持ちが行ってしまって、吉川茄子の麻婆とクレソンそば飯を選んだ。この二色丼で900円という金額も手頃感がある。

開催前にSOIL&”PIMP"SESSIONSの社長にONE PARKのフェス飯についてインタビューしたときに「クレソンがおいしい」と言っていた。クレソンのそば飯って、他ではお目にかかったことがない。そば飯にしたことで、クレソンの香りは軽減されていたけれど、苦味は残っている。麻婆の茄子はくたくたになっている。二色にしたことで、苦味、辛味、痺れなどを、ときに交互に、ときに混ぜ合わせて食べられることができた。暑いときには辛いものや苦味があるものが食べたくなってしまうから、これも夏を代表するフェス飯メニューのひとつと言えるだろう。
自然良品 Brownie’s
タコス(シナモンりんご&クリームチーズ)800円

ひとつくらいスイーツも食べてみようかな。そう思ってしまったら、スイーツが頭から離れなくなってしまった。そしてシナモンりんごのタコスを発見。

フジロックのフジミシュランで5つ星をとったNATIVE AMERICANのお婆ちゃんに教わったフライブレッドだという。イメージするタコスとはまったくちがっていて、ボリュームもかなりある。揚げたてのフライブレッドに、シナモンで煮込まれたりんごがマッチしている。甘さは控えめ。りんごは長野の低農薬で育てられたものだと記載されていた。間食として食べたけど、朝イチのメニューとしてもいいだろうし、ビールとともにランチにもマッチするように思う。
<text・photo=菊地 崇>
ONE PARK FESTIVAL 2025
開催日:2025年9月6日(土)7日(日)
会場:福井県福井市中央公園特設会場
https://oneparkfestival.jp/
フードエリアは3つ。有料エリアにあるHONMARU FOOD COURTは、おそらく福井や北陸からの出店が中心。無料エリアのYONKSはコラボメニューが展開されていた。無料エリアのもうひとつのRAKUZAはケータリングカーでの出店で、そのケータリングカーは日本のいろんな地域から集まってきていたらしい。それぞれが個性を持ったフードエリアが展開されていた。出店数も多く、はじめて目にするメニューも多い。どれを食べようか、かなり迷うことになったONE PARKのフェス飯だった。
BLUESTOCKING
氷出汁 越前十割おろし蕎麦 800円
9月になったとはいえ、福井の最高気温は初日の9月6日が32度で9月7日が34度。日陰に入ると風はやや涼しかったけれど、それでも酷暑は残っていた。何を食べたいかというよりも、これなら食べられるだろうとフードエリアを歩いていて見つけたのが氷のメニュー。スイーツではなく、食事としての一品だった。

越前そばは大根おろしが使われていることが特徴だ。出汁で味付けされた氷が、福井永平寺産の蕎麦粉を使用した蕎麦と大根おろしの上に乗っている。やや太めの十割蕎麦は、喉越しを楽しむというよりもしっかり噛んで食べるタイプ。ただこれがフェス飯には合っているように思う。冷たくてサッパリ食べられる氷蕎麦は、今年の夏に出会ったいちばんのアイデアメニューでもあった。

Bon.nu
紅そば(トマト焼きそば)1,300円
少し前に、トマトが夏バテ防止に最適な野菜だというニュースを見ていた。リコピンの抗酸化作用や、カリウム、ビタミンC・E、β-カロテンなどの豊富な栄養素によるもので、水分を多く含んでいることも身体を冷やす効果があるという。そんなことをこのメニューを見て思い出してしまってオーダー。

とにかくトマトがふんだんに使われている。写真を見ただけでオーダーしたので、口に入れたときに、いい意味での裏切られた感覚があった。勝手に冷静パスタをイメージしていたのだけど、トマトも麺もあたたかい。これは冷静パスタではなく塩焼きそば。トマトに熱が入れられていることで、さらに甘味が増し、酸味も感じられた。このトマトは福井県池田町で生産されているものだ。けっこうボリュームもあったけれど、サラリと完食。

TRAILER BAR HAKU
ノドグロフリット(ハーフサイズ) 700円
夕方になって涼しくなってきたので、ビールに合うつまみを食べたいと思った。どうせなら北陸の味にしたい。それで選んだのがノドグロのフリット。甘エビのフリットにも心を動かされたけど、北陸を代表する「高級魚」のノドグロを選んだ。
揚げたてのフリットが6つ。ひと口サイズで食べやすい。白身で柔らかい味。それでいて、白身特有の淡白さはあまり感じられない。回転寿司などで何回かノドグロを食べたことがある程度で、ノドグロの味を知っているというわけではないけれど、ノドグロの身はフリットにしても負けていないというか個性が出ているというか。次は甘エビフリットも食べてみたい。

TASTY TABLE FOOD
福井二色丼(吉川茄子の麻婆&クレソンそば飯) 900円
2日間のフェスの間に、ガッツリというほどでもなく、けれど「食べた~」とお腹に溜まるような感覚になれるものを食べたい。そう思いながら、フードエリアを何度も行き来して、決めたのがこれ。鹿カレー、猪とごぼうのあんかけ、茄子麻婆、クレソンそば飯の4つから2つを選べるメニュー。肉よりも野菜に気持ちが行ってしまって、吉川茄子の麻婆とクレソンそば飯を選んだ。この二色丼で900円という金額も手頃感がある。
開催前にSOIL&”PIMP"SESSIONSの社長にONE PARKのフェス飯についてインタビューしたときに「クレソンがおいしい」と言っていた。クレソンのそば飯って、他ではお目にかかったことがない。そば飯にしたことで、クレソンの香りは軽減されていたけれど、苦味は残っている。麻婆の茄子はくたくたになっている。二色にしたことで、苦味、辛味、痺れなどを、ときに交互に、ときに混ぜ合わせて食べられることができた。暑いときには辛いものや苦味があるものが食べたくなってしまうから、これも夏を代表するフェス飯メニューのひとつと言えるだろう。

自然良品 Brownie’s
タコス(シナモンりんご&クリームチーズ)800円
ひとつくらいスイーツも食べてみようかな。そう思ってしまったら、スイーツが頭から離れなくなってしまった。そしてシナモンりんごのタコスを発見。
フジロックのフジミシュランで5つ星をとったNATIVE AMERICANのお婆ちゃんに教わったフライブレッドだという。イメージするタコスとはまったくちがっていて、ボリュームもかなりある。揚げたてのフライブレッドに、シナモンで煮込まれたりんごがマッチしている。甘さは控えめ。りんごは長野の低農薬で育てられたものだと記載されていた。間食として食べたけど、朝イチのメニューとしてもいいだろうし、ビールとともにランチにもマッチするように思う。

<text・photo=菊地 崇>
ONE PARK FESTIVAL 2025
開催日:2025年9月6日(土)7日(日)
会場:福井県福井市中央公園特設会場
https://oneparkfestival.jp/