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25周年を迎えるARABAKI ROCK FEST.で25時間営業!? BAN-ETSUで注目の地元2店舗
東北に春の訪れを告げるロックフェスといえば『ARABAKI ROCK FEST.』。もはや風物詩ともいえるこのフェスは、今年でなんと25周年を迎える。四半世紀も続くこのビッグフェス、2025年はどんな展開になるのだろうかと、ドキドキわくわくと現場への思いは募るばかり。ARABAKIとしても、特別企画として「SESSIONS」と題した参加アーティストたちのスペシャルなセッションステージを「25」も準備をしているとか。いやぁ楽しみで、たまらない。今年はGWの直前の4月26日、27日の土日に開催となっている。
楽しみといえば、やはり「食」もそのひとつ。ARABAKIのHPを覗いてみれば、4月の頭にはフード情報も解禁となっていた。もう見ているだけでお腹が空いてきてしまうのだが、そうこうしているうちに思わず、勇み足。ARABAKIの地元、川崎町と仙台に今回出店予定の実店舗があるというではないか。え~いっちゃおうかな、どうしようかな……ということで、2店舗分の勇み足です。
どちらもBAN-ETSUエリアに出店予定のお店。ひとつ目は、今回初出店となる『farmer's table mano』。もうひとつが「そういえば、BAN-ETSUで24時間営業しているお店があった!!」 と、知る人ぞ知る『居酒屋 周平』だ。まずは、川崎町の『farmer's table mano』から。
え!? たけし豚ってなに?
『farmer's table mano』のご主人のお名前は、佐藤 剛さん。この下のお名前「たけし」をとって「たけし豚」。このたけし豚が看板メニューというのだから、興味津々。いったいどんな豚さんなのかとうかがってみると、納得のストーリーが。

『farmer’s table mano』の実店舗は、ARABAKIの会場にもほど近い、川崎農産物直売所の一角にある。店主は佐藤 剛さん。店内では、川崎町産のたけし豚をはじめとした手づくりのイタリアンが楽しめる
子どものころから料理人をめざしていたというご主人。調理師学校からイタリア料理店での修行と、料理人の正道を歩むなか、イタリア料理の重要な食材となる豚肉にはこだわりを持ち続けたいと願っていた。とはいえ、そう簡単には理想の豚には出会えず、ならばと一念発起。
修行時代からつながりがあった岩手の農家に弟子入りし、まずは地元・川崎町で養豚農家として独立してしまう。エサは規格外野菜を中心に、手づくり。そうしてのびのびと育った豚は甘味のある脂としっかりとした旨味が特徴で、次第に関係者のなかで話題となっていく。いつしか、仲間うちで「たけし豚」と呼ばれるようになり、定着した。
このたけし豚を味わえるお店として、自身のレストランを川崎町でオープンしたのは2021年のこと。店名の「mano(マーノ)」はイタリア語で「手」を意味する言葉。自分たちの手でじっくりと、ていねいにつくることを大切にした地元食材が楽しめるレストランの誕生だった。
お店の誕生は2021年のこと。店内では、地元産のワインや日本酒など、川崎町ならではの飲み物も豊富に取り揃えられている
この手づくりにこだわり抜いたお店が、ARABAKIに出店するという。もちろん、イベントなのでふだんのレストランメニューとは異なっているが、「たけし豚の豚丼はぜったいに出します」とのこと。また、フランクフルトや肉まんも考えているとか。『farmer's table mano』にはドリンクメニューも豊富で、地元川崎町の日本酒やワインなども楽しめる。ARABAKIでも味わえるということで、「豚丼×日本酒」「フランクフルト×ビール」「肉まん×ワイン」なんて組み合わせで朝昼晩に通ってしまいそうな予感。
こちらがARABAKIでも味わうことのできるたけし豚の豚丼。豚の持つ、甘みと旨みをぜひその舌で確かめてみて!
地元、川崎町でこの土地の味を楽しむ。これは、究極の地産地消である。25周年のARABAKIの音楽と合わせて、東北の春を楽しみ尽くすには、『farmer's table mano』は外せない。
25周年ということで、25時間がんばります!!
続いては、仙台の名店。仙台で居酒屋といえば『居酒屋 周平』と、ARABAKIファンのみなさんは信じて疑わないはず。だって、BAN-ETSUで24時間のフル回転のあの姿を見せられたら、もうぜったいに信じます!! という思いでしょ。
『居酒屋 周平』が仙台の五橋にお店を構えたのは、いまから21年前のこと。東京の居酒屋で修行を積んで、地元の仙台を少しでも盛り上げられたらと、この地を選んだというご主人の毛利周平さん。じつは、創業前のおもしろい話があって、と語ってくれたのは次のような物語だった。
仙台の中心地から少し離れた場所を選んだのは、少しのんびりとしながら働きたかったから。このあたりは当時はお店もさほど多くなく、のんびりとした街だった。店の場所をリサーチするのに2週間くらい同じ交差点に立って道ゆく人を見て、その場所が気に入ったという。で、店が工事中のときにいろいろな人が尋ねてくるでしょ。仕入れの担当だったり、ガス屋さんだったり、アルバイトの面接だったりと、人がたくさん来てくれるのだけど、打ち合わせる場所がなくって……通りに机を出して野外で打ち合わせをしていた。2軒となりが交番だったのでよく注意されたのだけど、たくさんの道ゆく人が声を掛けてくれて「ここに居酒屋ができるんだ」と認識してくれたみたいで。そうしたら、一度も広告も宣伝も打たなかったのだけど、開店初日から大忙しになってしまって。憧れたライフスタイルは初日に打ちのめされ、もう東京にいたときよりも追われてしまう始末。もちろん、うれしい悲鳴なんですけどね。あれが、鮮烈な思い出でした。
仙台の中心地とは少し外れた街にある居酒屋 周平。居酒屋だけにメニューは豊富。幅広く、選べる楽しみもある。仙台で呑みに行くなら、まずは周平へ!! と言いたくなるくらい
あのころの周平さんのテーマは「おとこの手料理」。簡単に手早くでも豪快にといった具合。人気だったのはまぐろの頬肉で、おろしポン酢で食べるのだけど、これがとてもとても受けた。そんなこともあって、じつはARABAKIでもやってみたことがある。魚のメニューをフェスでやるのはちょっと大変なんだけど、意外性もあったのか、ここでもけっこうブレイクして。
いま考えると、お肉みたいな豪快な雰囲気があったのかと思う。やっぱり、見た目で満足して満腹になってくれるのがうれしいから。この思いはいまも健在。今年は魚ではなく肉で攻めているけれど。看板メニューは、ダブル牛ステーキ。ハンバーグステーキと牛ハラミステーキの丼。お肉たっぷりのわんぱく飯。カレーもダブル。チキンカツカレーは、チキンカツと唐揚げで山盛りに。インパクトが大事。肉、肉、肉です。
あとは、仙台のソウルフードのひょうたん揚げ。去年は2日間で2,500本も売り上げがあったとか。さらに特筆すべきは、ギガドリンク。ビールもハイボールもなんと1ℓの超ビッグサイズ。これでもかくらいに、お客の満足度を狙い撃ちしている。なるほど、腹減りの周平ファンがキャンプサイトに溢れているのは、こういった理由から。

左からチキンカツと唐揚げで山盛りになったチキンカツカレー、2日間で2,500本売るという噂のひょうたん揚げ。ダブル牛ステーキは、ハンバーグステーキと牛ハラミステーキの丼。どれも、今年のARABAKIでご賞味あれ!
さて、24時間である。BAN-ETSUには、キャンプサイトがある。そのフェス好きのお客さんを喜ばせることが、とてもうれしいというご主人だけに、24時間営業をしちゃうんです。24時間の営業をやると決めた最初の年は、「あそこ、まだやっているから行ってみようか」だったのが、2年、3年も継続していると「周平行こうよ」となってくる。真夜中の2時過ぎにでも。
こうやって変わっていくのが楽しくて。あと、夜に営業時間を延ばすほかのお店も増えてきた。むかしはうちだけだったのが、もひとつ増えて、また増えて。「0」が「1」になって「2」になって。これは楽しい。「0」をやらせてもらえたのは何よりでしたと、周平さん。
24時間、俺やっているから。帰り際に「また来年も来るよ!」って、言ってくれるARABAKIのお客さんがいて、あの声はたまらない。今年はARABAKIも25周年だって聞いたから、25時間がんばります!!
<text=宮川 哲 photo=水戸大輔>
ARABAKI ROCK FEST.25
日時:2025年4月26日(土)〜27日(日)
会場:みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
https://arabaki.com/
楽しみといえば、やはり「食」もそのひとつ。ARABAKIのHPを覗いてみれば、4月の頭にはフード情報も解禁となっていた。もう見ているだけでお腹が空いてきてしまうのだが、そうこうしているうちに思わず、勇み足。ARABAKIの地元、川崎町と仙台に今回出店予定の実店舗があるというではないか。え~いっちゃおうかな、どうしようかな……ということで、2店舗分の勇み足です。
どちらもBAN-ETSUエリアに出店予定のお店。ひとつ目は、今回初出店となる『farmer's table mano』。もうひとつが「そういえば、BAN-ETSUで24時間営業しているお店があった!!」 と、知る人ぞ知る『居酒屋 周平』だ。まずは、川崎町の『farmer's table mano』から。
え!? たけし豚ってなに?
『farmer's table mano』のご主人のお名前は、佐藤 剛さん。この下のお名前「たけし」をとって「たけし豚」。このたけし豚が看板メニューというのだから、興味津々。いったいどんな豚さんなのかとうかがってみると、納得のストーリーが。

『farmer’s table mano』の実店舗は、ARABAKIの会場にもほど近い、川崎農産物直売所の一角にある。店主は佐藤 剛さん。店内では、川崎町産のたけし豚をはじめとした手づくりのイタリアンが楽しめる
子どものころから料理人をめざしていたというご主人。調理師学校からイタリア料理店での修行と、料理人の正道を歩むなか、イタリア料理の重要な食材となる豚肉にはこだわりを持ち続けたいと願っていた。とはいえ、そう簡単には理想の豚には出会えず、ならばと一念発起。
修行時代からつながりがあった岩手の農家に弟子入りし、まずは地元・川崎町で養豚農家として独立してしまう。エサは規格外野菜を中心に、手づくり。そうしてのびのびと育った豚は甘味のある脂としっかりとした旨味が特徴で、次第に関係者のなかで話題となっていく。いつしか、仲間うちで「たけし豚」と呼ばれるようになり、定着した。
このたけし豚を味わえるお店として、自身のレストランを川崎町でオープンしたのは2021年のこと。店名の「mano(マーノ)」はイタリア語で「手」を意味する言葉。自分たちの手でじっくりと、ていねいにつくることを大切にした地元食材が楽しめるレストランの誕生だった。

この手づくりにこだわり抜いたお店が、ARABAKIに出店するという。もちろん、イベントなのでふだんのレストランメニューとは異なっているが、「たけし豚の豚丼はぜったいに出します」とのこと。また、フランクフルトや肉まんも考えているとか。『farmer's table mano』にはドリンクメニューも豊富で、地元川崎町の日本酒やワインなども楽しめる。ARABAKIでも味わえるということで、「豚丼×日本酒」「フランクフルト×ビール」「肉まん×ワイン」なんて組み合わせで朝昼晩に通ってしまいそうな予感。

地元、川崎町でこの土地の味を楽しむ。これは、究極の地産地消である。25周年のARABAKIの音楽と合わせて、東北の春を楽しみ尽くすには、『farmer's table mano』は外せない。

25周年ということで、25時間がんばります!!
続いては、仙台の名店。仙台で居酒屋といえば『居酒屋 周平』と、ARABAKIファンのみなさんは信じて疑わないはず。だって、BAN-ETSUで24時間のフル回転のあの姿を見せられたら、もうぜったいに信じます!! という思いでしょ。
『居酒屋 周平』が仙台の五橋にお店を構えたのは、いまから21年前のこと。東京の居酒屋で修行を積んで、地元の仙台を少しでも盛り上げられたらと、この地を選んだというご主人の毛利周平さん。じつは、創業前のおもしろい話があって、と語ってくれたのは次のような物語だった。
仙台の中心地から少し離れた場所を選んだのは、少しのんびりとしながら働きたかったから。このあたりは当時はお店もさほど多くなく、のんびりとした街だった。店の場所をリサーチするのに2週間くらい同じ交差点に立って道ゆく人を見て、その場所が気に入ったという。で、店が工事中のときにいろいろな人が尋ねてくるでしょ。仕入れの担当だったり、ガス屋さんだったり、アルバイトの面接だったりと、人がたくさん来てくれるのだけど、打ち合わせる場所がなくって……通りに机を出して野外で打ち合わせをしていた。2軒となりが交番だったのでよく注意されたのだけど、たくさんの道ゆく人が声を掛けてくれて「ここに居酒屋ができるんだ」と認識してくれたみたいで。そうしたら、一度も広告も宣伝も打たなかったのだけど、開店初日から大忙しになってしまって。憧れたライフスタイルは初日に打ちのめされ、もう東京にいたときよりも追われてしまう始末。もちろん、うれしい悲鳴なんですけどね。あれが、鮮烈な思い出でした。

あのころの周平さんのテーマは「おとこの手料理」。簡単に手早くでも豪快にといった具合。人気だったのはまぐろの頬肉で、おろしポン酢で食べるのだけど、これがとてもとても受けた。そんなこともあって、じつはARABAKIでもやってみたことがある。魚のメニューをフェスでやるのはちょっと大変なんだけど、意外性もあったのか、ここでもけっこうブレイクして。
いま考えると、お肉みたいな豪快な雰囲気があったのかと思う。やっぱり、見た目で満足して満腹になってくれるのがうれしいから。この思いはいまも健在。今年は魚ではなく肉で攻めているけれど。看板メニューは、ダブル牛ステーキ。ハンバーグステーキと牛ハラミステーキの丼。お肉たっぷりのわんぱく飯。カレーもダブル。チキンカツカレーは、チキンカツと唐揚げで山盛りに。インパクトが大事。肉、肉、肉です。
あとは、仙台のソウルフードのひょうたん揚げ。去年は2日間で2,500本も売り上げがあったとか。さらに特筆すべきは、ギガドリンク。ビールもハイボールもなんと1ℓの超ビッグサイズ。これでもかくらいに、お客の満足度を狙い撃ちしている。なるほど、腹減りの周平ファンがキャンプサイトに溢れているのは、こういった理由から。

左からチキンカツと唐揚げで山盛りになったチキンカツカレー、2日間で2,500本売るという噂のひょうたん揚げ。ダブル牛ステーキは、ハンバーグステーキと牛ハラミステーキの丼。どれも、今年のARABAKIでご賞味あれ!
さて、24時間である。BAN-ETSUには、キャンプサイトがある。そのフェス好きのお客さんを喜ばせることが、とてもうれしいというご主人だけに、24時間営業をしちゃうんです。24時間の営業をやると決めた最初の年は、「あそこ、まだやっているから行ってみようか」だったのが、2年、3年も継続していると「周平行こうよ」となってくる。真夜中の2時過ぎにでも。
こうやって変わっていくのが楽しくて。あと、夜に営業時間を延ばすほかのお店も増えてきた。むかしはうちだけだったのが、もひとつ増えて、また増えて。「0」が「1」になって「2」になって。これは楽しい。「0」をやらせてもらえたのは何よりでしたと、周平さん。
24時間、俺やっているから。帰り際に「また来年も来るよ!」って、言ってくれるARABAKIのお客さんがいて、あの声はたまらない。今年はARABAKIも25周年だって聞いたから、25時間がんばります!!

<text=宮川 哲 photo=水戸大輔>
ARABAKI ROCK FEST.25
日時:2025年4月26日(土)〜27日(日)
会場:みちのく公園北地区 エコキャンプみちのく
https://arabaki.com/