フェス飯クラブ / Fesmeshi Club

7年ぶりに開催されたハッピーファームでカレー&カレー

7年ぶりに開催されたハッピーファームでカレー&カレー


 2000年頃を起点に、日本で広がっていったフェスカルチャー。数万人を集めるビッグフェスだけではなく、参加しているすべての人が笑顔でハイタッチしあうような数百人規模の小さなフェスも、全国各地で産声をあげた。オーガナイザーの思いがその場所に表現されているフェス。そんなフェスにラインナップされていたのが、メジャーではなくインディペンデントで音楽の旅を続けていたアーティストたちだった。自由感もあり、オーガニックなつながりが感じられるフェスが、コロナで決定的に少なくなってしまったように思う。

 ハッピーファームミュージックフェスもそんなフェスのひとつで、今年7年ぶりに開催された。会場は長野県飯綱高原のキャンプ場。DACHAMBOや光風トリオ、SOFTなど、出演したアーティストは20以上。飲食と物販を含めた出店数は80近くを数えた。おそらく入場者数は出演者や出店者を含めて800人から1000人といったところ。キャパと比較して、出店数はかなり多い。それだけ出店者もハッピーファームフェスの復活を待っていたということなのだろう。数字や結果を求める出店ではなく、自分たちの遊びも兼ねたキャンプフェス。キャンプ飯の定番といえばカレーが思い浮かぶが、ハッピーファームもカレーの出店が多かった。


まきちゃんが作る大ちゃん食堂/鶏ほろほろココナツバターカレー 900円

 福島県いわきをベースにフェスやイベントへの出店をはじめたばかりの「まきちゃんが作る大ちゃん食堂」。今年のハッピーファームフェスが5回目程度の出店だという。店頭幕に掲げられたメインのメニューはスープカレー。スープカレーにも惹かれたけれど、今回のオススメを聞いて、新作の鶏ほろほろのココナツバターカレーをオーダーした。

 そのネーミング通り、何時間も鶏肉を煮込んだのだろう。塊ではなくホロホロの状態になっている。ココナツの甘いベールのなかに数種のスパイスが見え隠れしている。インドのカレーのようでもあり、日本のカレーのようでもある。付け合わせはゴボウのきんぴらなど。ボリュームもそこそこあって、夏フェスのエネルギーチャージにはうってつけだった。







シピリカ/二色カレー 1200円

 長野県池田町でカフェ&ギャラリーを営んでいるシピリカ。タルチョで装飾された店の雰囲気と、南インドという言葉に吸い寄せられて、この週末2杯目のカレーはここへ。メニューの2つをどちらも食べたかったので、南インドチキンと野菜の二色カレーにした。

 サラッとしたシャバシャバ系のカレー。それにお米を合わせるのが南インドスタイルなのだろう。チキンも野菜も、それほどスパイスの香りが強いわけではない。むしろ優しい味わい。スパイスを使っていないというのではなく、まろやかなスパイスを巧みに配合しているのだろう。「チャツネにはこだわっています」と話してくれた。胃にどっしりくるのではなく、さらりと食べられるカレー。飯綱高原は標高1000メートルほどあって、それほど暑くはなかったけれど、夏フェスのフェス飯としてはいい感じ。








<text・photo=菊地 崇>


HAPPY FARM MUSIC FESTIVAL2024
日時:2024年7月20日(土)~21日(日)
会場:キャンプラス飯綱
https://www.happyfarmmusicfestival.org/