フェス飯クラブ

現地レポート

フェスで地元名物を味わう。アラバキで出会った東北グルメ

2023.06.06
フェスで地元名物を味わう。アラバキで出会った東北グルメ
「名物にうまいものなし」ということわざがある。確かに人で賑わう観光地であれば、地元の名物を目当てに長い列に並んだあげく、食べて後悔したという経験もなくはない。名物に対する過度の期待や、お店さんの対応力が混み具合をオーバーしてしまっていることとか、いろいろ理由は考えられるだろう。ただ自分の好みに合うか合わないかは別として、フェスに関しては、そのことわざは当てはまらないように感じている。自分がいつもいる場所から離れた地域で開催されるフェスに行く。それはライブを楽しむこととともに、その地域のことを知ることも目的としている。だったら、やっぱりその地域の地元の名物を味わいたい。東北を代表する春フェスであるアラバキ。東北ならではの味を求めて、広い会場内を歩いた。

【宮城】利久:牛たん焼 1,400円
 仙台発祥の仙台名物の代表格が牛たん。利久は、今では仙台市や宮城県のみならず、全国展開している炭火焼牛たんの名店だ。牛たん弁当が1,500円、牛たん焼が1,400円。フェス飯としてはなかなかいい値段だ。利久は仙台駅の牛たん通りにも支店があるが、そこはいつも行列が絶えない。そのことを考えたら、待たなくてもいい時間があったアラバキ出張所の存在はありがたい。

 厚みがある牛たん。両面に切れ目があることによって、柔らかくて噛み切りやすい。焼肉屋で食べる牛たんとは明らかに違う「仙台名物の牛たん」。肉の熟成のさせ方や塩加減で、そのお店の特徴が出るとのことだが、利久のお店の味を野外で味わえるのだから、それだけでも十分に満足。「仙台に来たら牛たん」。それはアラバキにも言い得ている。




 
利久
仙台牛たん専門店『利久』です。多数の牛たん商品を取り揃えて皆様のご来店お待ちしております! 本場仙台の厚切り牛たんを使った「牛たん贅沢W丼」は厚みと味も違う二種類の牛たんを一度に楽しめる贅沢な丼ぶり!ぜひお楽しみ下さい。


【宮城】仙台 居酒屋 周平:ひょうたん揚げ 450円
 仙台市内で4店舗展開している居酒屋さん。居酒屋といえば夜の営業だけど、キャンプサイトの風の草原エリアでの出店ということもあって、アラバキでの周平は24時間営業をしていた。食べるか食べないかに関わらず、開いているお店が近くにあるということは、キャンプしていた人たちにとって大きな安心になったのは間違いない。

 看板に「仙台名物」とあったひょうたん揚げ。その存在を知らなかったので、今回が初実食。蒸したかまぼこに甘めの衣をつけて揚げたもの。アメリカンドッグのかまぼこ版と言えばイメージしやすいだろう。優しい味付けのかまぼこに甘めの衣が妙にマッチする。仙台市内では。串の食べ歩きグルメとして人気だというが、フェスにもうってつけだ。小腹がすいたときにおやつ感覚で楽しめる仙台ご当地フェスグルメ。




 
仙台 居酒屋 周平
仙台市の居酒屋です。ひと手間をかけた豪快飯を食べて下さい。毎年恒例の朝食!と深夜メシもやりますよー


【山形】SPECIAL DAY inc.:玉こんにゃく 250円/1本
 ここも看板に引き寄せられて列に並んだ。「山形県産米つや姫を使用したローストビーフ丼、山形名物芋煮」とある。山形の芋煮は里芋&牛肉で味付けは醤油。ちなみに宮城の芋煮は里芋&豚肉で味噌味。ローストビーフ丼にも芋煮にも惹かれたけど、並んでいるうちに玉こんにゃくが食べなくなってしまった。山寺で知られる山形の宝珠山立石寺がこんにゃくを精進料理としたことで、山形にこんにゃくが広がっていったという。

 板でも糸でもない、丸い玉こんにゃく。醤油でじっくり煮込まれている。味が芯まで沁みている。ひと噛みするほどに口のなかに広がっていく。アルコールのアテにもいい。玉こんにゃくは、農林水産省の「うちの郷土料理/次世代に伝えたい大切な味」にも認定されている山形の味だ。ここ、味そのものは満足したのだけど、注文も一言。オペレーションが悪いのか、注文を聞くのもメニューを出すのもあまりにも時間がかかり過ぎ。ビッグフェスでは待たせないっていうことも大切。




 
SPECIAL DAY inc.
山形県産米つや姫を使用したローストビーフ丼、山形名物芋煮を食べて盛り上がっていきましょう!


<text・photo=菊地 崇>
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん
菊地 崇 a.k.a.フェスおじさん

ライター、編集者、DJ。フェス、オーガニック、アウトドアといったカウンターカルチャーを起因とする文化をこよなく愛する。 フェスおじさんの愛称でも親しまれている。

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