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暑さに負けるな!! ワイバンの涼を探して歩いて2日目の現地からのレポート
9月に入って、ほんの少しだけ秋の風が吹くようになったけれど、フェスの現場はまだまだ暑い。8月の21日から23日に山口のきらら博記念公園で開催されたWILD BUNCH FEST.(通称・ワイバン)は、まさに夏真っ盛りの夏フェスだった。
地球環境の変動があまりに急激すぎて、夏の暑さというのが、いままでの常識を飛び越えてしまった。西日本ではときに40℃を超えてしまうような日々もあったりして、この夏もとにかく暑かった。その暑さを野外フェスの現場ではどうやって乗り越えているのか。
ワイバンの現場でその工夫、夏の暑さ対策に注目してみた。そんな視線で見てみると、他のイベントではあまり見られないような、仕掛けがたくさん。写真を見ながら、現場の2日目をレポートしてみよう。
8月22日の土曜日、山口の天気は晴れ。というより、天晴れな快晴だった。天気概況によれば、当日の最高気温は昼過ぎに36.9℃を記録している。しかも、きらら博記念公園は瀬戸内海を目の前にした広大な芝生のエリアだ。つまり、地面のレベルは0m。たとえば、フジロック(苗場の会場は約900m)のように標高から涼を得ることができない。もしも風が吹かなければ、猛暑も猛暑、汗だくの夏地獄となる。

でも、ここは海っ端。朝に夕に海風が心地よく吹きつけてくれる立地でもある。そして、ワイバンといえば、という見た目の暑さ対策がある。暑さ対策その1である。
そう。空高く舞い上がる巨大なクジラ。水色とオレンジのツートンカラーで空を舞う姿は見ているだけでも気持ちがいい。大空という海を舞うシロナガスクジラ(たぶん)の姿からは、たしかに涼しさを感じられる。ときにエイの仲間が泳いでいたり、カラフルな風船が連なって空高くたなびいている。

これは、海風が吹くというときにマイナスになりかねない条件を、しっかりとプラスに変えているという点で、さすがといえる。風を味方にして、海のイメージをつくる。そして、暑さを忘れさせてくれる工夫である。
さて、暑さ対策のその2。これは、会場内のいたるところにミストの発生装置や噴水を模した展示をしていること。お客さんも敢えて濡れに行くし、子どもたちはもうビショ濡れ。それでも、夏の太陽にあっという間に乾いてしまうから、まったく問題がない。あのミストを浴びると、一瞬、その場を離れたくなくなる。そのままズッと浴びていたいのに、奥のステージではいい音が鳴っている。涼も魅力のひとつになる。これぞ、夏フェスの醍醐味なのかもしれない。

そして、ワイバンが他のフェスとちがう点のひとつに、箱型の展示ブースを敢えてたくさん取り入れていること。箱型。つまり、冷房の効いた逃げ場所をしっかりとつくっていること。ふつうであれば、無味乾燥とした避難小屋になりそうなところを、冷房という武器を使ってお客さんを呼び込む仕組みをつくっている。お客さんにすれば、身体は楽になるし、興味のある展示も見られるし、一石二鳥となる。これが、暑さ対策のその3。

そして、これは今年から始まったのだけど、ワイバンのキャンプサイトでも暑さ対策の工夫があった。アウトドアブランドのコールマンの協力を得て、ダークルームというレンタルテントの貸し出しをしている。ダークルームとはなにか。簡単にいえば、ふつうのテントよりも涼しく過ごせるテントのこと。暑熱対策として、遮熱素材を使って太陽の熱をこもらせない工夫を施したテントである。これが、本当に涼しいのだ。コールマンのデータによれば、90%以上の光をブロックすることで、テント内の温度上昇を大きく抑えることができるとか。たしかに、体感温度がまったくちがう。正確に何度とまでは測っていないけれど、涼しさは十分に感じられる。

このレンタルテントは、通常のバージョンとダークルームが選べるようになっていたのだけど、お客さんの反応もダークルームから売れていくといった具合。少し、高い値段設定だったのにも関わらず。みんな、暑さに対しての危機感を持っているということなのでしょう。それはそうですよね。とにかく、暑すぎる。昨今は。ということで、こちらが暑さ対策のその4。
その他、よく目にしたのは、注意喚起の看板。熱中症への対策の呼びかけで、こまめな水分補給を促している。もちろん、救護所もしっかりと用意されている。これは、いまやどのフェスでも同様の対応をしているとは思うけど。暑さ対策の5。
そして、フェス飯。この記事がフェス飯の記事だと忘れてしまいそうなので、食べ物にもちゃんと触れておきましょう。ワイバンのフードエリアは、メインゲートの手前右手に大きく広がっている。場内すべての飲食がここに並んでいるので、食べるぞ!! と決めたら、迷わずにここに向かえばいい。スペースはかなり広く、店舗数も多い。他のフェスでもよく目にする常連店舗のほか、目についたのは氷屋さん。やはり、この暑さだけに、かき氷系は売れ筋なのでしょう。みな、うれしそうにシャリシャリとしていました。

そして、山口の地元食エリアというのもありまして。東京からは遠い山口の地にいるのだから、やっぱり地のものを食べておきたいということで。でました、瓦そば!! 山口県の定番グルメで、本来はアツく熱した瓦の上に茶そばを乗せてジュッと焼いたもの。錦糸卵に牛肉、レモンに海苔なんかが乗っていることが多いですよね。決めてはピリッとしたもみじおろし。これを、濃いめのツユにつけて食すのが瓦そばの礼儀。そばの焼き具合にもよるけれど、上はモチッとしていて、下はカリッと。たぶん、お店で食べるとそう感じられるはず。

でも、フェス飯版はそこまでのモチカリを出すのはむずかしいのは織り込み済み。それでも、目の前で鉄板でジューと焼いてくれる茶そばの匂いに誘われての長い列。喜んで並びましょ!! 茶そばの風味とカリッとした麺の舌触り。とても、うまい。フェス飯もどんどんグレードが上がっています。
元祖瓦そば たかせ

瓦そばに続いては、お隣の下関ふぐ餃子。山口は餃子も有名なんですよね。ふぐ餃子は、なにがふぐかというと、なんと、ふぐの皮を細長く刻んだものを餃子といっしょに口に放り込むといった具合。これまた、関東では食べたことのない感覚で、ふぐの風味と餃子の肉汁がうまい具合に絡み合って。たしかに、これもフェス飯でした。

餃子の福原
おいしいものを食べれば、パワーもついて、またステージへと向かっていくこともできる。食べること、これも暑さ対策のひとつといえるでしょう。ということで、暑さ対策のその6。

以上、ワイバン2日目の現地からのレポートでした。

〈Text & Photo by TETSU MIYAKAWA〉
WILD BUNCH FEST.2026
開催日:2026年8月21日(金)・22日(土)・23日(日)
会場:山口きらら博記念公園
https://www.wildbunchfest.jp/
地球環境の変動があまりに急激すぎて、夏の暑さというのが、いままでの常識を飛び越えてしまった。西日本ではときに40℃を超えてしまうような日々もあったりして、この夏もとにかく暑かった。その暑さを野外フェスの現場ではどうやって乗り越えているのか。
ワイバンの現場でその工夫、夏の暑さ対策に注目してみた。そんな視線で見てみると、他のイベントではあまり見られないような、仕掛けがたくさん。写真を見ながら、現場の2日目をレポートしてみよう。
8月22日の土曜日、山口の天気は晴れ。というより、天晴れな快晴だった。天気概況によれば、当日の最高気温は昼過ぎに36.9℃を記録している。しかも、きらら博記念公園は瀬戸内海を目の前にした広大な芝生のエリアだ。つまり、地面のレベルは0m。たとえば、フジロック(苗場の会場は約900m)のように標高から涼を得ることができない。もしも風が吹かなければ、猛暑も猛暑、汗だくの夏地獄となる。
でも、ここは海っ端。朝に夕に海風が心地よく吹きつけてくれる立地でもある。そして、ワイバンといえば、という見た目の暑さ対策がある。暑さ対策その1である。
そう。空高く舞い上がる巨大なクジラ。水色とオレンジのツートンカラーで空を舞う姿は見ているだけでも気持ちがいい。大空という海を舞うシロナガスクジラ(たぶん)の姿からは、たしかに涼しさを感じられる。ときにエイの仲間が泳いでいたり、カラフルな風船が連なって空高くたなびいている。

これは、海風が吹くというときにマイナスになりかねない条件を、しっかりとプラスに変えているという点で、さすがといえる。風を味方にして、海のイメージをつくる。そして、暑さを忘れさせてくれる工夫である。
さて、暑さ対策のその2。これは、会場内のいたるところにミストの発生装置や噴水を模した展示をしていること。お客さんも敢えて濡れに行くし、子どもたちはもうビショ濡れ。それでも、夏の太陽にあっという間に乾いてしまうから、まったく問題がない。あのミストを浴びると、一瞬、その場を離れたくなくなる。そのままズッと浴びていたいのに、奥のステージではいい音が鳴っている。涼も魅力のひとつになる。これぞ、夏フェスの醍醐味なのかもしれない。

そして、ワイバンが他のフェスとちがう点のひとつに、箱型の展示ブースを敢えてたくさん取り入れていること。箱型。つまり、冷房の効いた逃げ場所をしっかりとつくっていること。ふつうであれば、無味乾燥とした避難小屋になりそうなところを、冷房という武器を使ってお客さんを呼び込む仕組みをつくっている。お客さんにすれば、身体は楽になるし、興味のある展示も見られるし、一石二鳥となる。これが、暑さ対策のその3。

そして、これは今年から始まったのだけど、ワイバンのキャンプサイトでも暑さ対策の工夫があった。アウトドアブランドのコールマンの協力を得て、ダークルームというレンタルテントの貸し出しをしている。ダークルームとはなにか。簡単にいえば、ふつうのテントよりも涼しく過ごせるテントのこと。暑熱対策として、遮熱素材を使って太陽の熱をこもらせない工夫を施したテントである。これが、本当に涼しいのだ。コールマンのデータによれば、90%以上の光をブロックすることで、テント内の温度上昇を大きく抑えることができるとか。たしかに、体感温度がまったくちがう。正確に何度とまでは測っていないけれど、涼しさは十分に感じられる。

このレンタルテントは、通常のバージョンとダークルームが選べるようになっていたのだけど、お客さんの反応もダークルームから売れていくといった具合。少し、高い値段設定だったのにも関わらず。みんな、暑さに対しての危機感を持っているということなのでしょう。それはそうですよね。とにかく、暑すぎる。昨今は。ということで、こちらが暑さ対策のその4。
その他、よく目にしたのは、注意喚起の看板。熱中症への対策の呼びかけで、こまめな水分補給を促している。もちろん、救護所もしっかりと用意されている。これは、いまやどのフェスでも同様の対応をしているとは思うけど。暑さ対策の5。
そして、フェス飯。この記事がフェス飯の記事だと忘れてしまいそうなので、食べ物にもちゃんと触れておきましょう。ワイバンのフードエリアは、メインゲートの手前右手に大きく広がっている。場内すべての飲食がここに並んでいるので、食べるぞ!! と決めたら、迷わずにここに向かえばいい。スペースはかなり広く、店舗数も多い。他のフェスでもよく目にする常連店舗のほか、目についたのは氷屋さん。やはり、この暑さだけに、かき氷系は売れ筋なのでしょう。みな、うれしそうにシャリシャリとしていました。
そして、山口の地元食エリアというのもありまして。東京からは遠い山口の地にいるのだから、やっぱり地のものを食べておきたいということで。でました、瓦そば!! 山口県の定番グルメで、本来はアツく熱した瓦の上に茶そばを乗せてジュッと焼いたもの。錦糸卵に牛肉、レモンに海苔なんかが乗っていることが多いですよね。決めてはピリッとしたもみじおろし。これを、濃いめのツユにつけて食すのが瓦そばの礼儀。そばの焼き具合にもよるけれど、上はモチッとしていて、下はカリッと。たぶん、お店で食べるとそう感じられるはず。

でも、フェス飯版はそこまでのモチカリを出すのはむずかしいのは織り込み済み。それでも、目の前で鉄板でジューと焼いてくれる茶そばの匂いに誘われての長い列。喜んで並びましょ!! 茶そばの風味とカリッとした麺の舌触り。とても、うまい。フェス飯もどんどんグレードが上がっています。
元祖瓦そば たかせ

瓦そばに続いては、お隣の下関ふぐ餃子。山口は餃子も有名なんですよね。ふぐ餃子は、なにがふぐかというと、なんと、ふぐの皮を細長く刻んだものを餃子といっしょに口に放り込むといった具合。これまた、関東では食べたことのない感覚で、ふぐの風味と餃子の肉汁がうまい具合に絡み合って。たしかに、これもフェス飯でした。

餃子の福原
おいしいものを食べれば、パワーもついて、またステージへと向かっていくこともできる。食べること、これも暑さ対策のひとつといえるでしょう。ということで、暑さ対策のその6。
以上、ワイバン2日目の現地からのレポートでした。

〈Text & Photo by TETSU MIYAKAWA〉
WILD BUNCH FEST.2026
開催日:2026年8月21日(金)・22日(土)・23日(日)
会場:山口きらら博記念公園
https://www.wildbunchfest.jp/