フェス飯クラブ / Fesmeshi Club

情緒あふれる街並みを満喫 音楽フェス『結いのおと』の舞台を “街ブラ散歩”してみた~前編~

情緒あふれる街並みを満喫 音楽フェス『結いのおと』の舞台を “街ブラ散歩”してみた~前編~


茨城県結城市を舞台とした回遊型の音楽フェス『結いのおと』が、今年も4月18日(土)と4月19日(日)の2日間に渡り開催されます。2014年にはじまった同フェスは、音楽ファン好きも納得の出演ラインナップでライブが楽しめるサーキットフェスとして回を重ね、毎年楽しみにしているファンも多いイベントとして知られています。そしてそのステージとなるのは、神社仏閣、酒蔵や結城紬の産地問屋など、古くから街の歴史を紡いできた文化の香り漂う空間です。せっかく訪れるなら、そんな街の魅力を体感してみたいですよね。そこで今回は、結城市を“街ブラ散歩”しながら、会場となる浦町児童公園・奥順つむぎの館・妙国寺などの北部エリアを中心に、さまざまなスポットを訪れてみました。これを読んだら『結いのおと』がもっともっと楽しめますよ!

街を案内してくれるのは、「結いプロジェクト」発起人・野口純一さん。『結いのおと』オーガナイザーとして、結城市の代謝に繋がるような街づくりに尽力されている方です。

伝統の味を継承する、糀と糀味噌の醸造販売を専門とする「秋葉糀味噌醸造」

【 昔ながらの天然醸造にこだわる味噌屋「秋葉糀味噌醸造」を見学 】

伝統の味を継承する、糀と糀味噌の醸造販売を専門とする「秋葉糀味噌醸造」。創業は江戸時代の1832年(天保3年)、現在は社長を務める秋葉章太郎さんご夫婦で醸造所を営んでおり、天然醸造にこだわり昔ながらの製法で醸造販売する味噌屋さんです。お店を構えているのは、結城駅の北口を出て徒歩7分ほど、会場の1つ「健田須賀神社」の近く。街の歴史と文化がしっかり感じられるエリアです。

早速、醸造所の味噌蔵を見学させていただけることに。味噌蔵を見学できるなんてめったにないこと。ワクワクしながら入ってみると味噌を仕込む大きな木桶が並んでいましたが…うわっめちゃくちゃ寒い!蔵の中の味噌を仕込む部屋は、外よりもさらに3度ほど寒いのだとか。この寒さが味噌作りにはとても大事な要素になっており、「寒仕込み」「寒い季節はいい季節」と昔から言われているそうです。

手作り味噌体験で、完成を待つ味噌
手作り味噌体験もできる

味噌づくりはすべて手作り。200枚以上の糀を入れたバッターを一人で糀室に運ぶそうですが、なんと460kgにもなるとか。木桶は江戸時代から使っている、100年物。現在は木桶を造る職人さんがいないため、今あるものを大事に使っているそうです。その中で使えなくなった木桶の板は、醸造所の中の壁に再利用されたり、木桶を市内のあるシェアスペース「yuinowa」の中にあるサウナの水風呂の桶にしたり、古い「たが」(木桶の外側にはめる竹や金属製の輪)も、鏡の枠などに活用されています。また、味噌作り教室や、近隣の中学生と一緒に塩糀づくりワークショップなども実施しているそうで、野口さんも毎年参加して作っているそうです。


代表取締役社長の秋葉さんと、自慢の商品たち


お土産で買った、つむぎみそ(400g 600円)、冷凍甘酒(350g 700円)、繁盛なす(150g 500円)。取材中も地元からだと思われるお客様が買っていきました。

今年の『結いのおと』では、蔵の裏で「焼き団子」を販売する予定です。団子につける味噌だれは、普段販売している味噌とは違う特別なものが提供されるとのこと。香ばしく焼かれた団子に特別な味噌だれをたっぷりつけて…想像しただけでよだれが出そう。食べたい!今年の『結いのおと』で食べるフェス飯に楽しみが1つ増えました。機会があれば、味噌作りも体験してみては。



【 歴史ある酒蔵「武勇」は写真映えもバッチリ 】

武勇の建物、付近はとても写真映えします。蔵の前などで着物を着て写真を撮ると、とても雰囲気があっておすすめです。

秋葉糀味噌醸造から西に歩き、ステージの1つとなる「孝顕寺」からもほど近い「武勇」へ。江戸時代末期の慶応年間(1867年)創業の酒造会社です。

結城市は日本でも珍しい、酒・味噌・醤油、蔵がぎゅっと集まった街ということで、日本古来の食文化を知ることができる貴重な街でもあります。武勇の代表・保坂大二郎さんによると、「酒蔵は古いから、古いことを続けるだけではなく、新しいことを取り入れていくことが大事」ということで、酒造りに「伝統と革新性」を掲げ、さまざまな取り組みを行っています。

代表の保坂さんと「しぼりたて」
代表の保坂さんと「しぼりたて」

今年1月~2月にかけて、結城市を舞台としたVTuberグループ「にじさんじ」とのコラボイベント『にじいばジャーニー』が行われた際には、武勇にもキャラクター・赤城ウェンのパネルが置かれ、若い女性のお客さんが多く来店しお酒を購入していったのだとか。以前、『結いのおと』で酒蔵の中にステージを作って会場にしたことも。歴史と伝統を重んじるだけじゃなく、こうした柔軟な姿勢が、この街で長くサーキットフェスが開催される理由のひとつなのかもしれません。今年の『結いのおと』では、お酒や甘酒などを販売予定。酒蔵見学も実施しているので、お酒が飲めるのみならず、訪れてみてください。


武勇 自慢の商品たち
飲みやすくておすすめな「純米吟醸なごやか」(720ml 1,980円)、こちらは熱燗にぴったりな「純米酒」(720ml 1,760円)、「酒蔵純米吟醸」(720ml 1,870円)など酒好きにはたまらない銘酒の数々



【 日本最古の歴史を持つ高級絹織物「結城紬」の卸問屋さん「奥順つむぎの館」で文化遺産と出会う 】

国の登録有形文化財となっている雰囲気たっぷりな社屋は今も社屋として使われている
国の登録有形文化財となっている雰囲気たっぷりな社屋は今も社屋として使われている


武勇から北東方面に徒歩7分、600mほど歩いた場所にあるのが、こちらもステージとなる「奥順つむぎの館」です。日本最古の歴史を持つ高級絹織物「結城紬」の実際の卸問屋さん。
結城紬の製作工程は、世界に誇るべき日本の技として、ユネスコ無形文化遺産に登録されているほどです。

資料館 手緒里(ており)1階にある、糸をつむぎ、反物を織る様子の人形
資料館 手緒里(ており)1階にある、糸をつむぎ、反物を織る様子の人形

敷地内には広い裏庭もあり、国の登録有形文化財となっている雰囲気たっぷりな社屋は、実際に問屋で働く従業員のみなさんが使っている建物。その建築様式は美しく風格すら感じさせるもので、眺めているだけで時間を忘れてしまいそう。常時200点以上の結城紬を展示している古民家陳列館、資料館、機織り体験(コースターづくり)ができる施設もあるので、時間があればじっくりと見学・体験したいところです。

染織工房 織場館(おりばかん)機織機
染織工房 織場館(おりばかん)機織機

オリジナル小物ショップ「結の見世(ゆいのみせ)」では、結城紬を使った小物が手に入ります。機械織り「結城紬」と手織り「本場結城紬」を触ってみると、なんというか、「本場結城紬」はふわりと温かく優しい感じがしました。

オリジナル小物ショップ「結の見世(ゆいのみせ)」では紬小物も販売
オリジナル小物ショップ「結の見世(ゆいのみせ)」では紬小物も販売

『結のおと』では、敷地内の中央にある広場にステージを組み、演奏をすることも。そのときの音量は建物が震えるほどだそうで、そのときにしか感じられない音楽体験ができそうです。


つむぎの館の中央にある広場はフェスのステージとしても使われる  < photo = YUIPROJECT© 

ということで、前編はここまで。古い町並み、伝統、商いが続いているだけでなく、現代の新しい文化とうまく手を組みながら、街づくりしている雰囲気がうかがえました。また、『結のおと』が続いていることより地域全体が活性化しており、老若男女問わず受け入れられる雰囲気があります。昔のいいものを残しつつ、新しいチャレンジがしやすい場所でもあるな、と思いました。そして何より、美味しいものがいっぱい!秋葉糀味噌醸造の「繁盛なす」と、酒蔵武勇の「純吟」(常温でも熱燗でも)の組み合わせは無限コンビ!お土産に買っていくことを激推ししたいです。

後編では、引き続き歴史あるスポットを訪れるだけでなく、おしゃれなカフェなども紹介したいと思います。


『結いのおと2026』
開催日時:2026年4月18日(土)DAY 11:00~18:00 NIGHT 18:00~20:00、4月19日(日)DAY 11:00~18:00      
会場:茨城県結城市北部市街地
公式HP:https://www.yuinote.jp